会長挨拶
一般社団法人日本獣医麻酔外科学会の今後の活動方針
会員の皆様、2021 年 7 月に第 11 代会長を拝命いたしました秋吉秀保でございます。今後、新しい理事会メンバーと一緒に日本獣医麻酔外科学会を盛り上げようと思っておりますので、引き続きご支援いただきますようよろしくお願いいたします。
さて、日本獣医麻酔外科学会は、1970 年に獣医麻酔研究会が設立された後、1989 年に学会組織への改組を経て、2015 年 4 月から一般社団法人日本獣医麻酔外科学会として活動しています。2020 年初頭より、新型コロナウイルス感染症が日本国内で拡大し、対面での学術集会の開催が困難になるなど、学会を取り巻く環境は大きく変わってきています。この様な環境の変化に対応し、さらに学会を発展させていくため、私は、会長として、理事会とともに、以下の目標を掲げ、達成にむけて取り組みたいと考えています。
1. 学術集会のリニューアル
- 担当理事: 枝村⼀弥、伊東輝夫、⾼⽊ 哲
- 新型コロナウイルス感染症拡大によって経験したオンライン学術集会を踏まえて、ポストコロナ時代の新しい学術集会の開催方法のあり方について鋭意検討し、より多くの会員が楽しめる魅力的な学術集会を実現します。
2. 地区委員会の再活性化
- 担当理事: 伊東輝夫、清⽔美希
- 新型コロナウイルス感染症拡大後、オンライン環境での講習会などを開催せざるを得なくなったために、全国どこでも参加できる環境となった反面、会員相互のコミュニケーションが失われるなど、各地区で独自の講習会を開催する目的などが不明瞭となってきています。今後のポストコロナ時代を見据えた、地区委員会の役割について、再定義する必要があります。
3. 日本獣医麻酔外科学会誌の充実
- 担当理事: 清⽔美希、関 真美⼦、伊東輝夫
- 本邦における獣医外科学の発展に寄与するとともに、会員に論文発表の機会を提供する点から学会にとって重要な学会誌の発刊であるため、学会誌の充実にむけて努力していきます。
4. 学会広報の強化とブランディング
- 担当理事: 宗像俊太郎、岩井聡美
- 学会の目指すべき方向性およびすべての委員会活動、学術集会、地区講習会などを会員だけではなくすべての人に広報することで、会員の満足度の向上につなげるとともに、動物の外科手術や、麻酔に興味がある獣医師に学会の存在を知ってもらい、将来的に外科・麻酔領域で活躍できる人材の発掘につなげていければと考えています。今後はSNSや動画を用いた広報なども積極的に取り入れていくとともに、学会の活動内容のPRおよび透明性を向上させるために理事会の議事録を公開したいと考えています。
5. すべての会員が活躍できる環境整備
- 担当理事: 岩井聡美、関 真美⼦
- 学会として、前体制より取り組んでいる、女性の参加しやすい環境作りと女性役員の登用を、より発展させるとともに、ベテランから若手まですべての世代が活躍できる学会としての環境整備を目指します。
6. 卒後教育の充実(認定医制度の整備)
- 担当理事: ⼩島健太郎、宗像俊太郎
- 麻酔関連の認定医制度の発足:獣医師の麻酔レベルのベースアップ、麻酔に興味がある獣医師に対する「まなびの機会の提供」、将来的なアジア麻酔専門医を目指す人材の育成、を目的とした卒後教育環境の整備を行ってまいります。その他、動物の外科手術に関する卒後教育環境の整備も同時に実施していきます。
7. 日本小動物外科専門医制度の国際化
- 担当理事: ⾼⽊ 哲、枝村⼀弥
- 本学会は日本小動物外科専門医レジデントプログラムを運営し、各認定医施設での研修制度の監督ならびに専門医試験などを通して日本小動物外科専門医を育成しています。一方で、アジアにおいて計画されている外科専門医制度にも積極的にコミットしています。今後、この様な国際的な動きに歩調を合わせて、日本の専門医制度の国際化を進めるとともに、アジアにおける専門医制度の実現に向けて活動していきます。
8. 持続可能な財務基盤の構築と適切な投資
- 担当理事: ⼩島健太郎、宗像俊太郎
- 現在の財務状況はおおむね問題ないと考えていますが、節約できることは節約し、安定した運営が継続できる財務基盤を構築します。一方で、コロナ後の学術集会の開催方法などに関連するIT関連機器、事務局の充実など将来的により良い学会にするために投資する必要もあることから、節約、収益、投資のバランスを取った舵取りを行っていきます。
9. 事務局の整備
- 担当理事: 関 真美⼦、⼩島健太郎、宗像俊太郎
- 今後、理事会および各委員会の事務作業負担を軽減するとともに、会員との密なコミュニケーションの実現に向けて、事務局を整備していきます。
2021 年 7 月
一般社団法人日本獣医麻酔外科学会
第 11 代会長 秋吉秀保
本学会の目的
- 質の高い獣医外科医・獣医麻酔医の育成
- 先端的医療研究の推進と医療技術の創成
- 正しい知識および技術の普及と啓発
- 他の医療領域との連携
- 学術集会、講演会、講習会、症例検討会などの開催
- 国内外の関連学会および学術団体との交流と連携
- 日本獣医麻酔外科学雑誌の発行
- 専門医の育成
これらの目的を達成するために以下の各委員会を設置しています。
- 3 分野委員会:専門に特化した麻酔・疼痛管理、整形外科および軟部組織外科分野の各委員会
- 8 エリアの地区委員会:地区講習会の開催、会員とのコミュニケーション、理事会からの諮問、学術集会の運営
- 倫理委員会:動物を用いた実習・実験、症例を用いた臨床研究の適正化
- 国際交流委員会:アジア諸国をはじめとした海外との交流の促進、国際学会の誘致
- 専門医委員会:日本小動物外科専門医レジデントプログラムの管理・運営
- 広報委員会:HPの更新、会員へのメール・Facebookでの情報提供、動画コンテンツの提供
- 編集委員会:学会誌の編集・発刊